クラミジアの検査の心配事を徹底解説!費用・期間・タイミングなど検査内容をズバリ!
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クラミジア検査に関する数々の疑問を徹底解説!クラミジア検査にかかる費用・期間や最適なタイミングはいつ?また検査内容はどんなもの?など経験が無ければ絶対に分からない検査の流れを解説します。
クラミジア検査はどこで受けられる?
クラミジア検査の内容の前に、まずはどこで検査を受けられるのかを確認しておきましょう。検査する場所によってメリット・デメリットがありますので事前に知っておくことで不都合をさけることが出来るでしょう。
病院でクラミジア検査を受ける場合
性感染症の検査となれば病院を思い浮かべる方が多いかも知れません。病院では泌尿器科・産婦人科・性病科(ただし咽頭感染の場合は性病科・耳鼻咽喉科)にて検査を受けることができます。
費用 |
病院によって異なる |
---|---|
検査内容や保険適用の有無によって大きな差が出ることがあります。下部にて費用の差を説明しています。 | |
期間 |
即日〜1週間 |
病院の設備によっては15分ほどで検査結果が分かることもあります。多くの場合は数日後に再来院して結果を確認します。 | |
保険適用 |
可 |
症状が出ていない場合や匿名で受けたい場合は保険が適用できないことがあります。 | |
検査方法 |
抗体検査・抗原検査 |
初診時に受ける検査は抗原検査であることが多いです。PCR法、LCR法、SDA法のいずれを用いるかは病院によって異なります。 | |
検査日 |
病院の診察日 |
平日の夜間や土日・祝日は病院が空いていない、または追加料金が必要になることがあります。事前に確認しておくようにしましょう。 | |
備考 |
『病院で性病検査を受ける6つのデメリット』に関してはこちらの記事で説明しています。病院に行く前に確認しておきましょう。 |
【病院のクラミジア検査にかかる費用の違い】
保険を適用すると“3割負担”であることは決まっていますが、病院によっての検査費用はそれぞれ異なります。また、病院側が保険適用外の検査をするのか、適用内の検査をするのかによっても異なります。yahoo知恵袋内でも以下のような質問が出ていました。
クラミジアの検査を受ける際、病院によって値段が違うのはなぜですか?
- 病院A(婦人科)は¥12,000
- 病院B(産婦人科)は¥5,000
- 病院C(性病科)は¥5,000
- 病院D(婦人科)は¥20,000
参考までに料金を明記している病院のサイトをいくつか紹介します。
→上野クリニックの性病各種検査費用(外部サイト)
→あおぞらクリニックの性病検査費用(外部サイト)
→山の手クリニックの性病検査費用(外部サイト)
保健所でクラミジア検査を受ける場合
全国の各自治体でHIVをはじめとした性感染症の検査を実施しています。自治体によって検査の実施方法が異なるので必ず事前に検査日や予約方法を確認しておきましょう。
費用 |
無料(一部自治体では有料) |
---|---|
保健所での検査は基本的には無料で受けられます。しかし、「HIV検査のみ無料」という自治体もあります。また、そもそもクラミジア検査を実施していない自治体もあります。 | |
期間 |
1〜2週間程度 |
自治体によってバラツキはありますが概ね1〜2週間程で検査結果がでます。但し、結果の確認には再度保健所に行く必要があります。 | |
保険適用 |
- |
保健所でのクラミジア検査に保険の適用・非適用は関係ありません | |
検査方法 |
抗体検査/抗原検査 |
保健所では抗体検査を行う自治体が多かったのですが、近年では抗原検査を実施している自治体も増えています。なお保健所では咽頭検査は受けられません。 | |
検査日 |
自治体によって異なる |
検査の実施日・実施方法は自治体によって異なります。月に1回や週に1回など大きく違うこともあります。また予約が必要だったり先着順だったりするので必ず事前に確認しましょう。 | |
備考 |
『保健所で性病検査を受ける5つのデメリット』に関してはこちらの記事で説明しています。病院に行く前に確認しておきましょう。 |
検査キットでクラミジア検査を受ける場合
近年、利用者が増えてきているのが自宅で受けられる性病検査キットです。とはいえまだまだ一般的ではありませんので、ここで検査キットを簡単に説明します。
費用 |
検査会社によって異なる |
---|---|
クラミジアだけを受けるのか、他の性病も調べるのかによっても異なります。各検査会社の検査キット料金一覧はこちらの記事で確認出来ます。 | |
期間 |
最短3日程度 |
郵送にて検査キットを送り返す必要があります。そのため検査した日から数えて最短でも3日はかかります。ですがWEB上で検査結果が確認できるというメリット尾あります。 | |
保険適用 |
不可 |
検査キットは自由診療に該当しますので保険は適用されません | |
検査方法 |
抗原検査 |
検査キットで用いられるのは抗原検査です。抗体検査と抗原検査の違いは下記にて説明しています。 | |
検査日 |
自由 |
検査キットが郵送にて送られてくるため好きな時間に検査が可能です。また自宅で受けられるためどこかに出かける手間も省けます。 | |
備考 |
検査キットの選び方やよくある質問をまとめた性病検査キット特集はこちらから |
注意!ここではクラミジア検査を受けられません
他の性病を含め検査を受けられる場所に関して質問を受けることがあります。そこでクラミジア検査を受けられると勘違いされがちな場所を紹介します。以下の場所・方法では検査を受けることはできません。
- 献血
献血を受けると簡単な血液検査も同時にしてくれます。後日、郵送にて検査結果が送られてくるのですがクラミジアの検査には対応していません。B型・C型肝炎、梅毒、HIVに関しては受付時に申告することで検査をしてくれます。
- 内科
若い人(特に男性)に多いのですが性器に関する診断は内科では行っていません。泌尿器科か性病科、産婦人科を受診するようにしましょう。また咽頭感染の場合は耳鼻咽喉科か性病科を受診する必要があります。
- 健康診断
健康診断では血液検査や尿検査を行いますが、いずれもクラミジアには対応していないため感染の有無を調べることはできません。人間ドックを受ける際にはオプションとして有料で性病検査に対応してくれるところもあります。
クラミジアを調べる際の主な検査内容
クラミジアの検査は抗原検査と抗体検査の大きく2つの方法に分けられます。いずれの検査を受けるかによって検査結果のもつ意味が異なります。自分が受ける検査がどの方法なのかを知っておくことでいたずらに混乱することはなくなるでしょう。
抗原検査と抗体検査
クラミジア感染を調べるための検査には抗原検査と抗体検査の2つの方法があります。目的はクラミジア感染の有無ですが結果の意味合いが大きく異なるため注意が必要です。
抗原検査 |
抗体検査 |
|
---|---|---|
検査対象 |
クラミジア菌の有無 |
クラミジア感染時に生成される抗体(IgG/IgA/IgM)の有無 |
検査方法 |
核酸増幅法(PCR法/SDA法/TMA法) |
酵素免疫法(EIA法) |
検体 |
男性:尿女性:膣分泌物 |
血液 |
抗原検査の特徴とメリット・デメリット
抗原とは体内に侵入し抗体を作らせる物質のことを指し、この場合はクラミジア菌が抗原に該当します。日本性感染症学会が定める治療ガイドラインの中で男女の性器・咽頭ともにクラミジアの検出法として抗原検査があげられています。
【目的】
感染者から採取した検体の中のクラミジア菌の存在を確認します。
【検査方法】
主に核酸増幅法が使用されます。採取物の中の抗原(クラミジア菌)を人工的に培養することで従来の方法よりも高感度に検出できます。核酸増幅法の中でもPCR法、TMA法、SDA法が用いられることが多い。
【検体】
男性の場合は初尿(※)、女性の場合は膣分泌液、咽頭の場合はうがい液か咽頭擦過物を採取します。なお女性は生理中は正確な検査結果がでないため避けましょう。
【メリット】
- 陽性であれば感染、陰性であれば非感染と単純明快な検査結果
- 酵素免疫法や直接プロープ法などに比べて感度が非常に高い(=精度が高い)
- 病院、検査キットでは抗原検査がメイン
【デメリット】
- 今現在の感染状況を調べる検査であり過去の感染状況は分かりません
- 女性の検査の場合、子宮頚管から進行し卵管や腹腔内まで上行感染したものは判定できません
- 感度の高さから死菌にまで反応してしまい偽陽性判定が出ることがあります
(※)初尿とは排尿時における最初の部分の尿のことです。途中の尿では正確な検査結果が出ないことがあります。また朝一番の尿とも異なりますので注意しましょう。
抗体検査の特徴とメリットデメリット
抗体とは病原菌などの抗原が体内に侵入した際に異物を排除するために作られるタンパク質です。このタンパク質は免疫グロブリンとよばれ血液中に存在します。人間が持つ免疫作用のひとつであり、クラミジア感染時にはクラミジアに応じた抗体を作り出します。
【目的】
クラミジア感染によって出来る抗体(IgA、IgG)が血液中に存在するかを確認します。
【検査方法】
主に酵素免疫法(EIA法)が使用されます。採血によって得た血液内のIgA、IgGの存在によって感染の有無に加えて大まかな感染時期も分かります。
【検体】
男性女性ともに血液検査(咽頭感染も同様)
【メリット】
- IgG、IgAの判定によって大まかな感染時期が分かる
- 保健所では抗体検査がメイン(※)
【デメリット】
- 抗体検査では確定診断にならない
- 現在進行形の感染なのか過去の感染なのか分からないことがある
- 感染箇所までは分からない
(※)近年では抗原検査の感度の高さから抗体検査→抗原検査へと移行している保健所も増えています。
クラミジア検査の結果の見方を知ろう
クラミジア検査を受けたことのある方は分かるかも知れませんが、検査結果は必ずしも「陽性or陰性」のどちらかがでるとは限りません。それ故に検査結果を見て頭を抱えてしまう人もいます。ということでクラミジア検査の結果の見方を確認しましょう。また、検査では感染経路の特定までは出来ません。
抗原検査の結果の見方
抗原検査は検体(尿・膣分泌物)の中にクラミジア菌がいる/いないの判定をするものです。そのため陽性(+)であればクラミジア感染、陰性(-)であればクラミジア非感染という単純な結果になります。但し、抗原検査では以下の2点に注意が必要です。
- 抗原検査で偽陽性(※)判定が出るケース
抗原検査ではクラミジア・トラコマティスの死菌(抗生剤により死んだ菌)に反応してしまい陽性反応が出ることがあります。検査結果だけでは偽陽性かどうかの判定は出来ませんので医師の指示を仰ぎましょう。
(※)偽陽性:本当はクラミジア陰性(-)にも関わらず、検査で陽性(+)と判定が出ること
- 抗原検査で偽陰性(※)判定が出るケース
感染後、正しい検査結果がでるほどクラミジアが増殖するまでの期間をウィンドーピリオドと呼びます。この期間に検査を受けると検体中のクラミジア菌が少なすぎるため陽性であっても陰性と判定されます。クラミジアのウィンドーピリオドは2,3日と言われていますが、余裕をもって1週間を目安にしましょう。
(※)偽陰性:本当はクラミジア陽性(+)にも関わらず、検査で陰性(-)と判定が出ること
抗体検査の結果の見方
抗体検査では血液中にある抗体(IgA,IgG)の量を測定します。IgAとIgGの組み合わせにより4パターンの検査結果が考えられます。
- 抗体検査におけるIgAの意味
クラミジアIgA抗体は感染後2週間ほどで作られる抗体です。その後6か月ほど体内に残ります。つまりIgA抗体が陽性であれば過去6か月以内にクラミジアに感染していたことが分かります。
- 抗体検査におけるIgGの意味
クラミジアIgG抗体は感染後1か月ほどで作られる抗体です。こちらは治療によりクラミジアを完治したとしても数年間は血液中に残ります。つまりIgG抗体が陽性であれば過去にクラミジア感染していることが分かります。
- 抗体検査の結果の意味
IgA抗体
IgG抗体
結果の意味
IgA陰性(-)
IgG陰性(-)
過去から現在にかけて一度も感染していない IgA陰性(-)
IgG陽性(+)
過去数年間に感染の可能性があります IgA陽性(+)
IgG陰性(-)
直近半年以内に感染した可能性があります IgA陽性(+)
IgG陽性(+)
過去に感染の経験があり、かつ最近にも再感染した可能性があります IgA陰性(-)IgG陽性(+)だった場合、過去の感染が疑われるがそれが完治しているのかどうかの判断まではできません。そのため抗体検査のみで確定診断とすることはありません。
- 抗体検査の測定値
測定値
判定
判定の意味
0.90未満
陰性(-)
感染を疑うほどの抗体は見つかりませんでした 0.90〜1.099
判定保留(+-)
再検査の必要があります 1.100〜2.999
陽性(+)
クラミジア感染による抗体を確認しました 3.000以上
強陽性(2+)
クラミジア感染による抗体が多数確認されました
検査結果が出るまでの期間(即日は可能?)
上記の「クラミジア検査はどこで受けられる?」でも説明していますが、抗体検査・抗原検査のどちらを選んでも結果が出るまでの期間は1週間前後を目安としましょう。
自院内に検査設備を設けることで即日で検査結果を伝えてくれる病院もあるようですが、自由診療であることが多く検査・診察料が高額になりがちです。「どうしても」という理由がなければ1週間ほど待つのが賢明です。
クラミジア検査の正確性・信頼性
折角クラミジアの検査を受けてもその検査結果が正確でなければ意味がありません。クラミジアの検査精度は年々上がっているとはいえ100%とはいえません。ではどんな状況の時に誤診が起こり得るのかを確認しましょう。
クラミジア検査の誤診は2パターン
まずクラミジア検査で起こり得る誤診は以下の2つのパターンしかありません。
- 偽陽性
本当は感染していない(陰性)はずなのに陽性反応が出てしまう
- 偽陰性
本当は感染している(陽性)はずなのに陰性反応が出てしまう
検査精度は年々上がっているとはいえ、その検査結果は100%保証されるものではありません。もちろんこれはクラミジアなどの性病検査だけでなく、いかなる病気に対する検査も同様です。何らかの誤検出が起きてしまう可能性は0ではありません。
検査で誤診が起きやすいシチュエーション
クラミジア検査における誤診の中には検査精度の問題ではなく、検体の採取法や検査を受けるタイミング、検査結果の考え方など人為的な理由から誤診となることがあります。誤診が起こりやすい代表的なシチュエーションには以下のようなものが挙げられます。
- ウィンドーピリオド中の検査
クラミジア検査の結果の見方を知ろうでも触れていますが、感染直後でクラミジア菌が十分に増殖していないと偽陰性判定が出ることがあります。
- 上行感染が起きている
女性の場合、クラミジア感染が子宮頚管から卵管・腹腔内へと進むと、膣分泌物による抗原検査ではクラミジア菌が見つからないことがあります。この場合、抗体検査の結果も合わせて判断する必要があります。
- 検体が不適切
例えば尿検査のさいに初尿を提出しなければ正確な検査結果が得られないことが考えられます。また、女性のクラミジア検査は膣分泌物で行うのが一般的ですが、尿検査で診断されたという事例もある(※)ようです。
- 検査結果を読み違えている
抗体検査では過去の感染にも反応するため、完治していたとしても陽性反応が出てしまいます。意図的にか、無知ゆえにか分かりませんが抗体検査の結果だけをもとに治療を施そうとする医者がいます。
(※)女性のクラミジアに対する尿検査は厚労省の認可が下りている検査方法で確定診断の根拠となりえます。しかし、女性の尿道感染は稀であるため尿検査を採用している病院は滅多にありません。
クラミジアの検査まとめ
一言でクラミジア検査と言っても、検査を受ける場所や検査の方法で料金はもちろん結果の見方・捉え方まで変わってしまいます。性感染症の中でもクラミジアが進行すると卵管癒着や精巣上体炎など不妊につながる可能性がありますので、20代で一度も検査を受けたことのない方は受けてみることをお勧めします。またどれだけ精度の高い検査を行ってもクラミジアの感染経路が分かる検査はありません。
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