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娘の性病検査に母親がついてきた患者さん

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氏名(年齢):A子さん(16)
病名:トリコモナス膣炎

 

A子は母に付き添われ産婦人科を受診した。
A子の印象はもの静かな感じで年齢相応の普通の女子高生だ。
問診には『性交経験なし』、『陰部の痒みがある』に○がつけられていた。
診察の順番がきて、母親と一緒に診察室に入ってきた。主に話をするのは母親だ(ここまではこの年齢の子が受診する時は良くある光景)。
医師の問診後内診台での診察をする事になった。

 

内診まで母親が付いてくることは無いのでここからが本当の診察だ。
もし性に関して親には言えないようなことがあったとしたら、この時に質問が出来る。
そして、この時に初めて本当のことを打ち明けてくれる患者さんもいるのだ。

 

ところが、母親は内診室に入ってきた!

 

「診察を見たいので足元でみてもいいですか?」
「医者に何かされるかも知れないし。」
「私が産んだ子なんだから何を見てもいいでしょ」

 

さすがにA子のプライバシーもあるので頭側から内診に付き添うようにしたが、肝心の本人にしか聞けない内容について聞くことはできなかった。
特有の臭いがする泡立ったおりものがでていたので不必要に検査をすることなくスムーズに治療をする事ができたが・・・

 

看護師から一言

付き添いのご家族にお願いです。親子関係に口をはさむつもりはありませんが“子供には子供のプライバシー”もあるので張りきるのはほどほどにしましょう。全てのお子さんがそうだとは言いませんが、『肉親だからこそ言いにくい内容』というものがあります。なにより正確な情報を知ることは病気の早期診断・早期治療にとってとても大切なことです。

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