人には相談しにくい膣・陰部に潜む病気
ツイートphoto by theodore moniodis
何か症状がある時に人に言えない場所、それが“膣と陰部”です。
女性の中にはその部位の名前を口にすることさえ恥ずかしがる方がいるほどアンタッチャブルな存在になっています。しかし、妊娠・出産という大仕事がある女性にとって、膣・陰部の病気の放置は産まれてくる赤ちゃんにまで影響を残す可能性があります。異常を感じた際には『念のため』という気持ちで検査を受けることが大切です。
ということで今回は性病に限らず膣や陰部でよくある病気と対処法を紹介させていただきます。
膣・陰部に潜む代表的な5大病気
細菌性膣炎
膣には元々乳酸菌のような良性の細菌が住んでいて、膣内を酸性に保っている為悪性の細菌等が繁殖しにくい環境になっています。
強い細菌の侵入や抵抗力の低下で起こる膣内の炎症が 細菌性膣炎です。不潔にしていても起こりやすいですが洗浄しすぎて元々の乳酸菌を殺してしまったために起こる事もあります。
自然に治る事もありますが症状が悪化するまえに治療を開始した方が簡単に治ります。放置しておくと痒みや痛み、排尿困難になるだけでなく骨盤内の炎症を起こす事もあるため不妊になってしまう事があります。
毛ジラミ
陰部の全面には陰毛があります。陰毛の毛根近くに毛ジラミが生息すると吸血産卵を繰り返しひどい痒みに悩まされます。
日本での感染も増えていますが海外の歓楽街での感染も多いです。風俗店の性病検査の項目にはない物です。毛ジラミの治療は陰毛除去抗毛ジラミ対策のシャンプーでいなくなるまで10日間位洗浄します。プールでの感染もあります。
尖型コンジローマ
陰部の疣(イボ)です。感染力が高く痛みのある発疹が出来ます。放置すると痛いだけでなく癌化する事もあります。治療は焼却術を行うので痛みを伴います。丸くない疣を見つけた時は性行為を行わない事が一番です。
膣壁裂傷
膣内の裂傷です。膣はとてもデリケートです。分泌物の不足、硬い異物の挿入で容易に傷つきます。傷つくと出血が多めに出ます。
自然に治るもありますがきちんと処置をしないと傷付きやすくなって出血を繰り返したり性交時痛を伴うので病院できちんと処置してもらう事が大切です。
異物挿入で膣の奥に入ってしまいとれない時も異物が炎症の原因になるので放置せず病院に行きましょう。
膣がん 陰唇がん
多い病気ではありませんが早期発見・早期治療が必要な病気です。
性交時痛 発疹で気付くことが多いですが、なにか出来ていたけど放置してしまい生命の危機に繋がる事もあります。毛根部の毛根炎以外で変色、発疹のある時性交時に痛みが限局してある時は病院に受診しましょう。
その他看護師からの注意点
陰部の色を気にする人がいます。陰部の色は元々その人が持っているメラニン色素で決まっています。性行為の多い少ないで色が濃くなる事はありません。
脱色用のクリームなるものもありますがデリケートなところなのでおすすめ出来ません。
性病別の症状・感染経路・治療法まとめ記事一覧
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